第91話クソ!あいつは一緒に来る

六月

「さっき、会えてうれしかったから抱きついたって言ってたよね?」トビアスが、ブランコを気だるげにこぎながら尋ねる。

私はストローを噛みしめたまま、まだ彼の視線の余韻に揺さぶられている――あの鋭い首の傾げ方、それから、ヴァネッサをさっさと退けるように小さく押しのけ、すたすたと立ち去っていったあの仕草。

彼は、私がトビアスに抱きつくのを見た。

いったい私は、どんな反応を期待していたんだろう。私のことなんてこれっぽっちも気にしない相手に。

はあ。もう疲れた。そうだ、終わり。こんな気持ちも、欲しがっている何かも、全部。こんな侮辱を受け入れるくらい彼が欲しいなら、無理やりにでも欲しくなくし...

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