第13章 目撃者を見つけた

「今日は行けない」

声はひどく投げやりだった。

「安吾が怪我した。病院に連れてくから」

林夕葵は携帯を握る手に、ぎゅっと力を込めた。

「じゃあ、明日は?」

「また今度な」

秦野彰は早く切りたそうに言う。

「あとで連絡する」

「待って」

林夕葵は彼を呼び止めた。

「彰、ひとつ聞きたいことがあるの」

向こうで、いら立った舌打ちがした。

「何だよ」

「もし今日、怪我をしたのが辰樹だったら、あなたはあの子についていてあげた?」

電話の向こうが二秒ほど黙る。

それから――

「頭おかしいんじゃないのか」

低く吐き捨てるように言って、通話は切れた。

林夕葵は携帯をポケッ...

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