第18章 新しい生活

林夕葵の目が、わずかに揺れた。――まだ、生きる望みがある。

辰樹のために仇を討つ。それだけじゃない。陸川時生が注いでくれたものに、応えたい。

自暴自棄になって、崖の縁からそのまま落ちようとしていた自分を――陸川時生は間に合うように大きな手で掴み、落ちることを許さなかった。

こんな温もりを感じたのは、いつぶりだろう。

辰樹を裏切りたくない。陸川時生の期待だって、踏みにじりたくない。

「……うん。行こう、ごはん」

夕葵は、泣き顔みたいな笑みを無理に作った。まつげが震え、雫がひとつ、頬を伝って落ちる。

陸川時生は手を上げかけ、涙を拭おうとして――何かに気づいたように、すっと引っ込めた...

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