第28章

写真を目の前まで寄せ、わざとらしく眺めてから、彼女は「ちっちっ」と舌打ちして首を振った。

「辰樹、笑ってるねえ。楽しそう。でもね、死ぬまで知らなかったんだよ。パパは最初から、お前と写真なんか撮りたくなかったって。もやしみたいなガキ……生きてる間は誰にも要られなくて、死んだら静かでいいよね……」

「黙れ」

林夕葵の声が、ふいに変わった。

掠れて力のない呟きではない。胸の奥から押し出すように搾り出された、しゃがれた低い唸り声。そこに、恐ろしいほどの力が宿っていた。

「もう一度、辰樹の名前を口にしたら――殺す」

どこから湧いた力なのか、自分でも分からない。

林夕葵は床から跳ね起き、林...

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