第36章 彰が自ら私を追放しない限り

そう言ったとき、林遥香は自信満々だった。

当然だ。自分が戻ってきてからというもの、秦野彰の態度は目に見えて軟らかくなった。しかも、わざわざこの別荘にまで連れてきたのだ。

ここは、林夕葵と秦野彰の新居。

男が外の女を夫婦の家に入れる。何を意味するか、いちいち言葉にする必要もない。大人同士なら、目を合わせるだけで分かる。

今が、まさにそれだった。

秦野彰がこうするのは、つまり自分を認めたということ。彼と林夕葵はもう離婚寸前で、手続きさえ済めば、自分は堂々と秦野彰の隣に立てる――林遥香はそう信じ切っていた。

だが。

普段は従順に見える老執事が、まさか自分の前に立ちはだかり、一歩も退か...

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