第45章

午後三時。秦野彰のオフィスのドアが押し開けられた。

林夕葵が入ってきたとき、彼はちょうどオンライン会議の真っ最中で、画面に向かって年度予算がどうとかを話していた。片手をひらりと上げて「適当に座ってろ」という合図だけ送り、会議はそのまま続ける。

林夕葵はソファに腰を下ろし、しばらくスマホをいじった。

陸川時生からメッセージが届く。

「今日の薬、飲んだ?」

「飲んだ」

三文字だけ返すと、陸川時生はそれきり何も返してこなかった。

ロックして放り投げ、視線を秦野彰の本棚へ滑らせる。並んでいるのは経営やマネジメント系の本ばかり。未開封のまま埃をかぶっているものもある。いちばん端に、写真立...

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