第49章

「警察のほうには、私個人では控えを残していません」

「あとで松井巡査に情報照会の控えを一枚出してもらえ。俺が知り合いに回して、車の移動記録と突き合わせてみる」

三浦涼乃はコーヒーカップを手に、脚を組んだままそこに座っていた。会話に割り込む隙はなく、作り笑いを崩せずにいる。

面白いことに、陸川時生は最初から最後まで、彼女を一度も見なかった。

林夕葵は思う。たぶん、涼乃もそれに気づいている。頼んだラテは一口だけで置かれ、スマホを取り出して画面を見つめた。背筋だけが不自然にぴんと張っている。

「その仮ナンバーだけどな」陸川時生は続けた。「システムで引っかかる登録情報って、だいたい最後に登...

ログインして続きを読む