第51章

脅しのメッセージは、林夕葵は消さなかった。

スクリーンショットを撮り、陸川時生へ送っておく。

翌朝も木村さんが彼女を送り出した。秦野彰は行き先を尋ねもしない。いつもどおり、木村さんに「一歩も離れるな」とだけ命じた。

林夕葵が例のカフェに着いたのは、陸川時生より先だった。

昨日と同じ窓際の席に腰を下ろし、白湯を頼む。両手でカップを包み、指先を温めた。空はどんより重く、通りを歩く人々は厚着で身を固めている。窓の隙間から、冬特有の湿った冷気がわずかにねじ込むように入り込み、皮膚を刺した。

昨夜はほとんど眠れていない。あのメッセージを十数回も読み返した。怖かったのではない。考えていたのはひ...

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