第14章

西原グループ

 西原司は内線を取った。

「コーヒーを淹れて持ってきてくれ」

 命を受けた雨村は、周防凛が残していった手順書を見ながら、言われたとおりにコーヒーを淹れる。

 湯気の立つマグが総裁室に運ばれたころ、西原司はプロジェクト契約書に目を通していた。

 西原司はカップを手に取り、ひと口だけ含む。苦味の立った香りが、じわりと口内に広がった。

 ふっと眉根が寄る。カップを机に置き、視線だけを契約書へ戻す。

 ……渋い。

 馴染んだ味に慣れきっているせいか、新しい味は受けつけにくい。

 そばで様子を窺っていた大村静也が、恐る恐る声をかけた。

「どこか……不都合がございました...

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