第180章

周防凛の車が西原家の門前で止まったとき、時刻はもうまもなく22時になろうとしていた。

車を降りると、凛は門扉のインターホンを押す。

応対に出てきたのは西原家の老執事だった。凛の顔を見た瞬間、目を丸くする。

「奥様……? こんな遅い時間に、どうなさいました。何かお急ぎのご用件で?」

「おじいさまは、もう休まれましたか」凛は尋ねた。

本当に、離婚する。

けれど最後の決断を下す前に、きちんと腹を割って、西原のおじいさまに自分の口で話しておきたかった。

いちばん自分を大切にしてくれた人だ。失望させたくない。

「旦那様はまだお休みではありません。書斎で読書をなさっています」

執事が身...

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