第34章

西原景冶の腹づもりを、周防凛はとうに見抜いていた。けれど、あえて口にはしない。

今朝。景冶の身支度を手伝いに行ったとき、部屋の前で西原景冶が葉山美晴と電話しているのを耳にしたのだ。

『今日は美晴おばさんが来るんだ』

そう知った景冶は、わざわざ美晴おばさんに買ってもらった服に着替えた。

周防凛が「どれにしようか」とクローゼットを開けた瞬間、そこには服、服、服。

――そして、見覚えのないタグ。

男の子は成長が早い。西原景冶の服も、入れ替わりが早い。

前は、周防凛が細やかに気を配って、新しい服を揃えていた。なのに今、景冶の服はほとんどが葉山美晴のものだった。

その瞬間、胸の奥にスト...

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