第47章

 西原司の視線が、カードに落ちた。

『Best wishes for you』

 差出人の名は、ない。

 花は匿名で届いたものだった。

 西原司はカードを元の位置に戻すと、そのままソファへ戻り、腰を下ろして仕事を再開した。

 午後になっても、彼はずっと病室にいた。だが、仕事はあまり捗っていないようで、ブラックコーヒーだけが何杯も空になっていく。

 周防凛が目を覚ましたのは、平岡貴利からの電話のせいだった。

 ぼんやりしたままスマホを探り当て、指を滑らせてしまって、うっかりスピーカー通話にしてしまう。

 すぐに、平岡貴利の気遣わしげな声が響いた。

「凛ちゃん、大丈夫か? どう...

ログインして続きを読む