第51章

 東山覚がふいに姿を見せたことで、その場に張り詰めていた険悪な空気がいくぶん和らいだ。

 仕立てのいい端正な黒のスーツをまとい、東山覚は足早に会議室へ入ってくると、西原司の隣に腰を下ろした。

 今日は西原グループとの提携案件でここを訪れていたらしい。

 まさか、周防凛にここまで狙いを定めた集中砲火の場に、偶然居合わせることになるとは。

 たった一人で四方から攻め立てられている周防凛を見て、部外者であるはずの東山覚は、珍しく黙っていられなかった。

 すっと手を上げ、人差し指で金縁の眼鏡を軽く押し上げる。そして、いかにも気負いのない口調で周防凛をかばった。

「司。あの夜のパーティーに...

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