第56章

西原景冶は布団にもぐり込み、わんわん泣いて暴れて、周防凛に触らせようとしなかった。

周防凛は根気強くあやし続ける。けれど、どう宥めても景冶の涙は止まらない。

やがて彼女のほうが疲れ、濡れた目尻を手の甲でぬぐうと、力なく肩を落として子ども部屋を出た。

――西原司と西原景冶が実の親子だからだろうか。親子そろって、息が合うみたいに葉山美晴を好きになる。

その夜、西原景冶は突然の高熱に襲われた。

周防凛は一歩も離れずに付き添い、寝汗を拭き、水を飲ませ、薬の時間を見計らいながら甲斐甲斐しく世話をする。

けれど景冶は眠りが浅く、うなされては、かすれた寝言で繰り返した。

「……美晴おばさん…...

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