第64章

離婚協議書にサインを済ませると、周防凛はすぐさま秘書に命じ、佐藤弁護士の事務所へ届けさせた。

離婚の件はそれ以上追わない。西原司は仕事が早い。じきに何かしら連絡が来るはずだ。

だから周防凛は、意識の重心をまた仕事へ戻した。

週の半ば、松谷南から電話が入る。MBNシステムをまもなく再起動し、新エネルギーと環境治理の研究に投入するという。

松谷南教授は、周防凛と平岡貴利の二人でプロジェクトに参加し、特許の獲得を狙えと命じた。

周防凛と平岡貴利は、絶望した顔で見つめ合う。

その瞬間、学生時代に引き戻された気がした。論文と研究に支配される日々へ。

松谷南が二人の愛弟子を甘やかすはずもな...

ログインして続きを読む