第27話

(黒瀬蓮視点)

「以前あなたに調べろと言われた件、片がつきました」

二、三日なんて、瞬きの間に過ぎる。

その朝。俺が執務室に足を踏み入れた瞬間、加藤玲司が眉間に皺を刻んだまま、すっと横に寄ってきた。明らかに様子がおかしい。

「俺が調べろと言った件?」目を細める。すぐに思い出せない。

ここ数日、眠りが浅い。頭の奥に、病院で俺を見た白石紗月の目が、勝手に浮かんでは消える。

静かで、冷たくて――赤の他人を見るみたいな視線。

「奥様と美玲さんの間で、どっちが盗んだ側かって件です」

加藤はスマホを開いて俺の手元へ差し出した。表情がひどく煮え切らない。

「少しややこしいです。動画、見て...

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