第7章
由樹視点
意識が深海からゆっくりと浮上してくる。
最初に知覚したのは肉体の痛み——腹部に走る鈍痛と、まるで中身をごっそりと抉り取られたような空虚感だった。
私は反射的に下腹部へ手を伸ばす。けれど指先に触れたのは平坦な包帯の感触だけで、あの愛おしい膨らみはどこにもない。
子供は?
弾かれたように瞼を見開くと、ベッドの脇に伏せている人影が目に入った。ベッドの縁に腕を枕にして、長く重い寝息を立てている。その姿勢のまま随分と時間が経っているようだ。私がわずかに身じろぎすると、彼は何かを察知したように顔を上げた。
その氷のようなブルーの瞳は血走り、目の下には濃い隈が刻まれている...
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