第17話

「……もういい。どうせお前なんか、相手にする価値もない」

藤原浩史は私の腕を乱暴に振りほどき、背を向けて出ていった。

私は追いかけもしない。藤原浩史が癇癪を起こすのは、いつものことだ。

寝室へ入り、海外へ持っていく荷物を黙々と整える。

たった二か月。すぐだ。

すぐに、解放される。

……

あの頃の私は、二か月さえ耐えて無事に出国できれば、全部終わるのだと本気で信じていた。

けれど現実は違った。

私は結局、藤原浩史の手で死んだ。

たぶん、これが運命。

藤原浩史に救われた命は、藤原浩史に終わらされた。

これで、もう何も残らない。互いに、借りも貸しもない。

ごろごろ、と腹の...

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