第17章 彼女の考えすぎ?

名取佳奈が黙り込むのを見ると、薄井礼央はもうしばらく彼女を見つめ、再び口を開いた。

「お前、もう一年も帰ってないだろ。あそこは……なんだかんだで家族なんだ。縁を切ったまま一生会わないなんて、できるわけない」

名取佳奈は唇を噛む。これ以上、薄井礼央と話す気にはなれなくて、背を向けると引き出しを開け、中のものを整えるふりをした。

薄井礼央は小さく首を振り、それ以上は何も言わずに背を向けて出ていく。

彼が出ていってしばらくして、名取佳奈は引き出しを閉めた。立ち上がった彼女の目には、うっすらと冷えた色が宿っている。

――自分は、孤児院で育った孤児だ。

八歳のとき、名取彰彦と名取幸枝に引き...

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