第36章 誕生日会

「座ってください。今日から手のリハビリ、初回を始めます。海外でも最新とされる神経回復用の治療器を使いますので、少しジンとしたり、だるさが出るかもしれませんが……我慢できる範囲です」

「よろしくお願いします、ウェンナート先生」

名取佳奈は言われたとおり腰を下ろし、負傷した左手を機器の下へそっと差し出した。ウェンナート医師は隣に座り、真剣な眼差しで位置を微調整しながら手際よくセッティングしていく。

ほどなくして装置が淡い青光を放った。

次の瞬間、左手にじわ、じわ、と酸っぱく重い痺れが広がる。痛みというより、奥が引っ張られるような不快な感覚だ。

佳奈は眉をわずかに寄せただけで、声ひとつ漏...

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