第43章 須藤唯がやって来た

「消さない!」

名取佳奈はついに堪忍袋の緒が切れた。歯を食いしばり、薄井礼央を睨みつける。その瞳は、引き返す気など一切ないと告げていた。

「薄井礼央、いい加減にしてよ! そこまで私を追い詰めるなら、あなたも須藤唯の連絡先を消して。そうじゃなきゃ、私は陸野雲平を絶対に消さないから!」

「まだ言わせるのか。俺と唯は、お前が想像してるような関係じゃない。それに、あいつは心が弱い。俺が連絡先を消したら……耐えられない」

薄井礼央は眉間に深い皺を寄せ、説明しようとする。けれど途中で、それすら面倒になったように息を吐いた。そして、より強引な言い方でねじ伏せにかかる。

「お前と陸野雲平だって、や...

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