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私はベッドに腰を下ろし、視線をイカロスに固定していたが、心は恐怖と混乱の波間に漂い、拠り所を失っていた。彼の瞳は嵐のように暗く、苛立ちに燃えており、その顎は言葉にならぬ後悔で強張っている。彼が何を考えているのか、私には痛いほどよく分かった。この戦争で軍団を率いることになったあの日を、呪っているに違いない。本来なら、彼は王立軍と共に、「成れ損ない」どもや自称『新王』と戦っているはずだったのだ。それなのに彼は今、名誉も栄光もなく、ただ血と不確実性だけが渦巻く紛争に足を取られている。

「EHは、私の父さんの群れ(パック)の誰かだと思う?」

私は答えに備えて心を落ち着かせるように、深く息を吸い込み...

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