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三時間に及ぶ道中、一分が過ぎるごとに、胸を締め付ける不安は増していった。俺は落ち着きなく身じろぎする。まるで座っているシートの布が針にでも変わったかのようだ。イカロスはそれに気づいていた――それも一度ならず。そのたびに、彼は安心させるような微笑みを浮かべ、俺を落ち着かせようと無言の仕草を見せた。それは束の間は効いたが、次の不安の波が肺から空気を奪い、窒息寸前まで俺を追い詰めるのだった。

「クリムゾンヴィルまで五十マイル」――その道路標識が目に入ると、不意に体が震えた。サザンムーン・パックの縄張りに入ったのだ。黒いバンの長い車列は、クリムゾンヴィル山を包む広大な森を縫うように進んでいく。そこ...

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