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ラークスパー氏の後を追い、城の曲がりくねった廊下を進む。私たちの足音は石の壁に反響し、北翼の奥深くへと続いていた。この一帯は、私にとってほとんど足を踏み入れたことのない場所だ。以前にここへ来たのはフレイヤとの見学ツアーの時だけで、その時でさえ、これらの部屋――護国卿の私的な領域――への立ち入りは禁じられていた。その記憶を思い出し、私は固く拳を握りしめる。冷静でいなさい、と自分に言い聞かせながら。ここに感情の入り込む余地はない。目の前の仕事に集中しなければ。

てっきり、彼の書斎へ向かっているのだと思っていた。壮麗な図書室が隣接していると聞いたことがある。以前、その扉をちらりと見ただけだったが、...

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