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ただの女子会だと説明しても、イカロスは一緒に行くと言って聞かなかった。危険があった場合に見張れるよう、後ろか外のどこか近くにいられるから、というのが彼の理屈だった。いくら言っても、彼を思いとどまらせる正当な理由を見つけられなかった。実を言うと、私自身、まったく安全だとは感じていなかったのだ。自分のオフィスビルを歩いているときでさえそうなのだから、銀行本部の外に出るとなればなおさらだ。命を狙う正体不明の脅威が潜んでいる状況で、彼の警護を断るという選択肢は、私にはなかった。

私たちは連れ立って外に出た。イカロスが影のように私のそばに寄り添う。

「あら、このイケメン君は誰?」ミレイユがからかうように...

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