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城へ戻る道中、ハドリアンは私の手を固く握っていた。彼は重々しく口を閉ざし、その視線は遠く、物思いに沈んでいるようだった。目が合うたびに私は微笑みかけたが、彼も一瞬だけ微笑を返してくれるものの、心は明らかにここにはなかった。胸の内に厄介な感覚が居座る。彼が何か重荷を背負っていて、それを打ち明けてくれていない、という感覚。王女との密談で何があったのだろうか。それが何であれ、今の彼の不安の原因であることは確信していた。

「失礼ながら……ご主人様……」ギャレスのためらいがちな声が静寂を破った。

「パテル伯爵が、長男の死について説明を求め、近いうちに城を訪れるでしょう」

「わかっている」ハドリア...

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