85

ためらいがちな笑みが口元に浮かんだ。ハドリアンは誇らしげに見えたが、自信に満ちたその態度の下に、怒りが渦巻いているのを感じた。なぜ彼がそんな風に感じるのか、私にはよくわからなかった。彼の表情を曇らせる闇を拭い去るかのように、そっと頬を撫でた。

「これからは陛下のことを、そうお呼びすべきかしら?」私はくすりと笑いながらからかった。

「よほど格式張った場ならな」彼は不敵な笑みを浮かべて答えた。「望むなら、跪いてもいいぞ」

私は彼の肩を軽く小突き、いたずらっぽく唇を尖らせる。彼は笑い、それから私をきつく抱きしめた。額に、目に、頬に、と柔らかなキスを降らせ、そして貪るように私の唇を奪った。

「お前を俺...

ログインして続きを読む