第113章

牧野は目の前の若く自信に満ちた女性を見つめ、そこに若き日の己の姿を重ねていた。

その負けず嫌いな気迫、背水の陣で挑むような勇気。

長い沈黙の後。

牧野はふと破顔し、顔の皺をほころばせた。

「よし!」

彼は勢いよく机を叩いた。

「君の言う通りだ。ここ数年、我々は圧力に屈し、排斥されてきた。だが、会社には数百人の従業員の生活がかかっている。彼らを路頭に迷わせるわけにはいかん」

「この提携、乗ったぞ!」

三十分後、契約書の署名が完了した。

未来は鮮やかな朱色の社判を見つめ、ようやく肩の荷が下りたように安堵の息を漏らした。

「未来さん、契約成立の祝いだ。昼食でもどうかな?」

牧...

ログインして続きを読む