第125章

彼女の手にはスマートフォンが握りしめられており、その画面にはGPS追跡アプリの地図が表示されていた。

「あんたたち!」

個室の中で揉み合う二人の姿を目にした瞬間、恵美奈の中で理性の糸がブツリと音を立てて切れた。

彼女は金切り声を上げながら突進し、ヒールの音をカツカツと床に響かせた。

妻の姿を認めた正志は、つい先ほどまでの好色な表情を一瞬で消し去り、腰を抜かさんばかりにガクガクと震えだした。膝から崩れ落ちそうだ。

「え、恵美奈、ち、違うんだ、聞いてくれ——」

恵美奈は夫の言葉になど耳も貸さず、一直線に未来へと詰め寄った。

正志にしつこく迫られ、狭い空間に押し込められていた未来には...

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