第130章

「バンッ!」

個室のドアが激しい音を立てて閉められた。

直後、隣からドンドンとドアを叩く轟音が響き、それに続いて正志の悲鳴と、あの妊婦の怯えきった泣き声が聞こえてきた。

「この人でなし!」

「ああっ! 頼む、話を聞いてくれ! 痛いっ、頭が!」

物が壊れる音、罵声、悲鳴――それらが渾然一体となり、壁越しでもはっきりと聞き取れるほどの騒ぎだった。

未来は眉をひそめた。

溜飲は下がるが、いかんせん騒々しすぎる。

彼女は振り返り、ずっと無言を貫いていた蒼司に視線を向けた。

「ショーは終わりよ」

彼女は歩み寄ると、車椅子の肘掛けに自然な仕草で手を添えた。

「行きましょうか?」

...

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