第31章

未来は無表情でスマートフォンの画面を見つめていた。そこに映し出された写真の中の羽龍の優しげな表情は、かつて彼女が渇望し、決して得られなかったものだった。

心は凪いでいた。ただ、滑稽だと感じるだけだ。

彼女は指先を動かし、削除からブロックまでを一息に行った。

その作業を終えると、彼女の指は画面の上で一瞬止まり、あるソーシャルメディアにログインした。

埃を被っていた古いアカウントがポップアップする。IDは「M」。

フォロワー数は百万を超えている。

未来が画面をスクロールすると、そこに並んでいるのは医学に関する投稿ばかりだった。

難解な理論の解説もあれば、興味深い応急処置の豆知識、さ...

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