第百二十二章

「一つ条件がある――契約の前に、『星漣』シリーズの完全な初回デザイン画を見せろ。これが俺の譲れない一線だ」

 隣の個室で、イヤホン越しにその言葉を聞いていた琴音は、ふっと冷笑を漏らした。

 相変わらず、和也はどこまでも用心深い。

 彼女はマイクに向かって、小声で二、三の指示を出した。

 一方、交渉の席では、梨乃の耳に装着された超小型イヤホンに琴音の声が届いていた。

 梨乃は和也を見据え、首を横に振ると、きっぱりと言い放った。

「不可能です。デザイン画はMKのトップシークレットであり、正式な契約と発表の前に外部へ漏らすことは絶対にありません。

 石川社長、現在協力を求めているのは...

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