第百二十六章

「琴音、少しも腹が立たないの?」

梨乃は琴音の穏やかな横顔を見つめながら、未だに納得がいかない様子で唇を尖らせた。

スマホの画面をスクロールしながら、憤りを露わにする。

「見てよ、このコメント。まるで自分が見てきたかのように、もっともらしいことばかり書いて!」

琴音はタブレットの電源を落とすと、エスプレッソマシンの前へ歩み寄り、自分と梨乃の分のコーヒーを淹れた。

「怒るだけ無駄よ。相手にする価値もないわ」

梨乃はマグカップを受け取り、大きなため息をつく。

「それはそうだけど……どうしても腹の虫が治まらないのよ」

コーヒーを一口すすると、彼女はふと目を輝かせた。

「そうだ、琴...

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