第23章

リビングの空気はひどく気まずいものになっていた。

夕食が終わるまで、和也は琴音に一言も話しかけようとしなかった。

治夫はその様子を静かに見つめていたが、その瞳の奥には明らかな怒りが渦巻いていた。

食事が済むと、彼は和也を自分の書斎へと呼びつけた。

琴音は治夫の遠ざかる背中を少し心配そうに見送った。だが、そこへ寧々が冷笑交じりに声をかけてきた。

「お祖父様に取り入ったくらいで、石川家の奥様の座にふんぞり返っていられるとでも思ってるの?」

「琴音さん、私に勝とうなんて百年早いわよ」

この勝負の鍵を握るのは、和也の心なのだ。

彼の心を掴んだ者こそが、真の勝者となる。

琴音は手にし...

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