第32章

和也の視線が、隣にいる琴音へと鋭く突き刺さる。腹の底から煮えくり返るような怒りが、一気に頭頂部まで駆け上がった。

こいつだ! こいつがまた、お祖父さんの前であることないこと吹き込んだに違いない!

「お祖父さん、こいつのデタラメを信じないでください!」

藁にもすがる思いで、和也は必死に弁解し始めた。

「全部でっち上げです! こいつは寧々が気に入らないんです、最初からずっと! 今日ここに来たのも、お祖父さんに寧々と子どもを追い出させるためなんですよ!」

声は次第に大きくなり、突き出した指先が琴音の顔に触れんばかりに迫る。

「琴音、お前ってやつは……! どこまで腹黒い女なんだ!」

当...

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