第38章

治夫の杖が、重い音を立てて床を叩いた。

「ええい、言い訳は聞かん。今日中にあの女を追い出せ」

「そして琴音を大切にしろ。琴音ほどできた嫁がどこにおる! あれほど酷い扱いをして、お前は良心が咎めんのか!」

和也は苦虫を噛み潰したような顔で言った。

「お祖父さん、それはあんまりです」

「あんまりだと?」治夫は鼻で笑った。「これほど一族の恥晒しな真似をしておいて、よくもそんな口が叩けたものだ!」

和也は深く息を吸い込み、この頭の固い老人とこれ以上言い争うのをやめることにした。

目頭を押さえ、適当にその場を濁す。

「分かりましたよ。追い出せば……追い出せばいいんでしょう」

ずっと二...

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