第46章

琴音は曖昧に頷き、司の横をすり抜けて外へ向かった。

すれ違いざま、シャワーを浴びたばかりの司から漂う爽やかな香りに、琴音は一瞬だけクラリと眩暈を覚えた。

自分の部屋に戻ってようやく、彼女は鏡に向かって熱を帯びた両頬をぱたぱたと叩いた。

さっきの光景は、あまりにも刺激が強すぎた。

何も見ていないとはいえ、想像するだけで顔が赤くなり、心臓が跳ねる。

琴音が身支度を整え、二人でダイニングで食事を終える頃には、すでに午前十時を回っていた。

M市郊外のハイウェイ。司がハンドルを握り、琴音は助手席に座っている。

窓の外の景色は確かに美しかった。連なる山々に、透き通った湖。

その風景を眺め...

ログインして続きを読む