第7章

薄暗がりの中に立つ和也は、琴音のきつく握りしめられた手を見つめ、不快そうに眉をひそめた。

昼間の出来事が、再び脳裏をよぎる。

彼は声を荒らげた。

「炎がまだ寝てるんだ。少しはおとなしくできないのか」

琴音は拳を固く握りしめ、寧々が身にまとっているネグリジェを見て目を細めた。

寧々がわざと自分を怒らせようとしているのは分かっていた。だが、よりによって母の形見に触れることだけは、絶対に許せなかった。

「脱いで」

琴音の底冷えするような声と、射抜くような鋭い視線に、寧々はびくっと肩を震わせた。

無意識に一歩後ずさり、目の前の女を値踏みするように見る。この女、もう猫を被る気すらなくな...

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