第103章-パワープレイ

それがわざとなのか、それともこの危険な体勢に頭が本当にぼうっとしてしまったのか、彼には判断がつかなかった。腰に手を回したいという本能に駆られながらも、指をきつく握り込み、拳をベッドへと押しつけたまま堪える。

「ドナ」

彼女の鼻先が、彼の鱗にくすぐるように擦り寄り、匂いを吸い込む。彼は一瞬目を閉じ、内側でせめぎ合う衝動をどうにか鎮めようとした。芽吹く欲求、火花のように燃え上がる欲望。

だめだ。

ここでは自分が理性を保たなくてはならない。

「ドナ、やめなきゃ――あっ」

鋭く髪を後ろへ引かれ、言葉が喉の奥でざり、と掻き切られるように途切れた。唸り声が漏れる。呻きに近いそれが唇の隙間から滑...

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