第115章-真実の踊り

彼の視線を鱗から引きはがしておくのは難しかった。音楽はうっとりするほど美しく、そこに宿るむき出しの才気も、その見事な響きの陰に積み重ねられたであろう努力も、イーライにははっきりと感じ取れた。けれどそれでも、その旋律の奥には苦悶に満ちたあの声が聞こえていたし、それに重なるように、思い出したくもない別の声まで蘇ってくるのだった。

その鱗が、彼に思い出させるのだ。

今だけ。

ここだけ。

それだけが大事なのだと。

彼はもう一度そう自分に言い聞かせ、彼女をさらに引き寄せた。手をその腰にしっかりと添えたまま、音楽に合わせてともに踊る。

彼女は一度たりとも彼から目を離さなかった――少なくとも、長...

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