第165話至福の太陽の光

ベラドンナは松明を竜の前で振りかざした。手元にある、たったひとつの武器で必死に抗っていたのだ。

竜は、彼女の分別を問いただすように、薄く嘲るような顔をしたように見えた。

まるで、その存在の芯まで踏みにじるような問いを投げかけてくるかのように。

火で? 竜を脅すつもりか?

本気で?

獣の足取りに合わせるように、恐怖で彼女の歯はがちがちと鳴った。見上げれば、竜は危険そのものの威容をまとい、頭上にそびえ立っている。

心臓がきりきりとねじれた。床に崩れ落ちるな、踏みとどまれ、獣から目をそらすな、捕食者が何より好む「逃げる獲物」になるな――そう自分に言い聞かせる。けれど身体は本能的な生存欲求...

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