第174章-誘惑、誘惑

彼の返事は、彼女が予想していたものではなかった。

「彼女を裏切るつもりはない」

心臓が冷たい水を張ったバケツに沈められたようだった。

「お話しになれば、きっとご理解くださいます、陛下」彼女は静かに言った。「それに、これは必要なことです」

彼は彼女に一瞥を投げた。読み取れない視線――だが、心地よいものでは決してなく、彼女が望んだような目つきでもなかった。

「何を理解する?」

彼女はゆっくりと一歩後ずさった。裸足の裏が足元の小さく滑らかな石にこすれ、音のない擦過が彼女の呼吸音に溶け込む。彼の体躯が、月を背に起ち上がる影のようにじわじわと覆いかぶさってきた。

立ち上がっている。

どう...

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