第19章-この獣に噛まれた

前回、彼女が「贈り物」として地下牢へ連れて行かれたときとは違い、今回は城の外周をかなり歩き、開けた草地へと向かった。

歩いているあいだ、王はベラドンナに世間話を持ちかけてきた。言葉を交わすほどに、彼女が読んでいた本の注釈の数々から知っていた人物像と、目の前の王とが重なっていく。そうして彼女は、いつの間にか彼に対していっそう気を許している自分に気づいた。

やがて草地に辿り着いた。ベラドンナはそこに竜がいるはずだと思っていたが、どこにもいない。

その瞬間、王は左手中指の指輪に埋め込まれた小さな赤い宝石を押した。見えているのは宝石だけで、指輪の残りは黒い革の手袋の下に隠れている。

それは、例...

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