第197章-あなたは誰?

身を隠せる場所など、どこにもなかった。扉がばたんと開き、イーライが駆け込んでくるのを、彼女は恐怖のうちに見つめた。まっすぐ自分のほうへ向かってくる。

「ドンナ、おれは――」そう言いかけた彼は、椅子で眠っている彼女の姿と、その傍らにひざまずくもうひとりとに視線を走らせ、ぴたりと動きを止めた。

仮面を外すまでもなかった。だが、その茶色の瞳にひらめいたものが何なのか、彼女にはわかった。あんな目で見られたことは、これまで一度もなかった。

「イ――」状況を説明する言葉を必死に探して、彼女は口を開きかけた。だが彼はすぐさま剣を抜き、その刃先は彼女の首筋に冷たい脅威として突きつけられた。

「彼女から...

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