第235話善の邪悪

炎が上がり、玉座はゆっくりと崩れ落ち、キイの両親はその惨事に閉じ込められた。

タクはどこからともなく現れた。逃げようとするベラドンナにぶつかりながらも、彼は迷わず炎の中へ踏み込み、取り残された村長たちを救いに向かった。

彼は彼らを助け出すことには成功した。だが自分が逃げる間もないうちに、上から丸太が落ちてきて彼を打ち倒し、その痛みの叫びは、夜を満たす悲鳴へと溶けていった。

あたり一帯は混乱に投げ込まれ、誰もが自分のことで精いっぱいだった。逃げ惑い、生き延びようと、炎から遠ざかる。

叫び声。怒号。駆ける足音。

それらが多すぎて、誰も彼の助けを求める声に気づけなかった。

混沌だった。

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