第6章-偉大な力には大きな問題が伴う

宝石に触れた感覚は、どこか懐かしいものだった。まるでいくつもの異界へ放り込まれ、何ひとつ見定める間もなく、そこから無理やり引きずり出されるような感覚。

ただ、今回ひとつだけ違っていたのは、痛みがなかったことだ。

頭蓋がぱっくり割れ、頭皮に刻まれたタニスの刺青の線に沿って引き裂かれていくような、あの痛み。

今回は、まるでそんなふうではなかった。むしろ、ほとんど慰められるようですらあった。

彼女は見た。タナトゥの兵士たちがメ・クへ進軍していくのを。城壁はすでに消えていた。顔だけはどうしても見えない、けれどその気配だけでいつも胸に恐怖を呼び起こすあの女の声が聞こえた。その声は反響し、まるで悲...

ログインして続きを読む