第28話いい意味での毒

部屋は、ふいに張りつめた空気で満たされたように感じられた。

「少し前に、わたくしがあの〈小さな演者〉にどうやって勝ったか、知りたい?」

彼女はそう尋ね、重くなった空気を和らげようとした。

ベラドンナの返事は遅かった。まるで、レディ・ケストラの言葉によって引きずり込まれた思考の淵から、しぶしぶ身を引き戻しているかのようだった。その目はなおも、レディ・ケストラの銀色の瞳をじっと見つめていた。

「は、い?」

「彼は卑怯な手を使った。だからわたくしはねぇ……」

彼女は指をすり合わせるように動かした。まるで空気をつかみ取る仕草のように。そして最後に、磨き上げられた長い赤い爪が、かちりと音を立...

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