第30章-それでいい

彼女の視線は彼を追い、彼が傍らに膝をつくまで離れなかった。彼の瞳に浮かぶ疑いに、彼女は首を横に振る。「私、狂ってなんかないわ、エリ。そういう目で見ないで。まるで私がそうだみたいに」

「君は狂っていない」

「信じてくれる?」彼女は身を引いて彼の顔をのぞき込み、彼は安心させるように微笑みながら、両手で彼女の頬を包んだ。

「君は狂っていない」

二人はその瞬間の魔法に浸っていた。だが、革の翼がばさばさと打ち鳴らされる音がそれを破り、彼女はついに彼から離れた。

アラリスは緊張した面持ちで、まずベラドンナの手首の腕輪を見つめ、それから危険の兆しを探して素早く周囲へ視線を走らせた。

何も見当たら...

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