第31章-ちょっとした質問

「これからおまえに、いろいろしてやる」唇が彼女の耳をかすめ、歯が耳たぶを軽く噛んだ。眠る前に外し忘れていた小さな耳飾りまで、その歯先が触れる。

彼女はうっとりと鼻にかかった声を漏らした。もう、まともに考えられない。

奪われるというのは、こんな感覚なのだろうか。

「許しを――」

「ええ、許すわ。あなたの好きにして。全部あげる!」

彼は昏い笑いを洩らし、手を彼女の喉に回して、わずかに力を込めた。逃がさぬように押さえつける。

彼女は息をのんだ。

「そんな返事をする前に、もう少し考えるべきだったな」その声は、ぞっとするほど冷ややかだった。

どこからともなく、目隠しが彼女の目にかけられる...

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