第43章-陽気なふたりの衝突

窓が砕け、アラリスはたやすくその隙間をすり抜けるように、彼女の心の中へ滑り込んできた。

溺れていく子どもの映像が脳裏に閃いた。それは自分のものですらない記憶のように感じられた。

何もかもがあまりに速かった。

「彼女は目を覚ましたのか? それとも――俺は遅かったのか――」その声に、彼女ははっと我に返り、すぐさまアラリスから身を引いた。視線が書斎の扉へと弾かれる。そこにはエリが立っていて……彼らを、いや、彼女を見つめていた。その茶色の瞳には、これ以上ないほど痛ましい色が宿っていた。

胸が大きく上下している。ここまで走ってきたのだとわかった。

「ドナ……? 俺は――」アラリスから彼女へと視...

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